icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻4号

1995年03月発行

文献概要

今月の主題 腸結核 主題

腸結核診断の現状―最近の当科経験例を中心に

著者: 樋渡信夫1 野口光徳1 鈴木仁人1 木内喜孝1 伊藤薫1 木村光雄1 前川浩樹1 島田剛延1 長瀬慶一郎1 江川春延2 森元富造3 山下和良4 三浦正明5 豊田隆謙1

所属機関: 1東北大学医学部第3内科 2東北労災病院消化器内科 3宮城県対がん協会がん検診センター 4仙台赤十字病院消化器内科 5若柳消化器内科小児科

ページ範囲:P.497 - P.506

文献購入ページに移動
要旨 腸結核診断の現状を明らかにするために,平成以降(1989年以降)に当科で経験した活動性腸結核6例の臨床成績を検討した.5例は50歳以上で,2例は無症状で大腸がん集検により拾い上げられた.肺結核の既往,初診時活動性病変はそれぞれ1例にみられたのみで,2/3の症例は原発性腸結核と思われた.ッベルクリン反応が陽性を示したのは半数のみだった.X線的には大腸癌,Crohn病との鑑別を要したのが1例ずつあった.3例で病変部から結核菌を検出できたが,乾酪壊死は1例にも証明できなかった.他の3例も形態学的特徴と治療効果から確診とした.今後も結核罹患率低下の鈍化が続くことが予想され,腸結核の存在を常に念頭に置いて診療に当たる必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?