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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻4号

1995年03月発行

文献概要

今月の主題 腸結核 主題

腸結核のX線診断―鑑別診断を中心に

著者: 西俣寛人1 西俣嘉人1 大井秀久1 中村勇一2 野口昌宏3 青崎真一郎4 西俣寿人5

所属機関: 1南風病院消化器病センター 2天保山記念病院消化器内科 3鹿児島市立病院消化器内科 4済生会川内病院消化器内科 5鹿児島県民総合保健センター

ページ範囲:P.507 - P.513

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要旨 腸結核のX線像は基本的には,①個々の潰瘍の形態(代表的なものは帯状潰瘍),②潰瘍搬痕を伴う粘膜萎縮帯,③変形(大腸の場合はhaustraの消失,腸管長軸方向への短縮,狭窄,憩室様変形,タッシュ様変形など)の3つに要約できる.鑑別すべき主な疾患としてはCrohn病,潰瘍性大腸炎,虚血性腸炎が挙げられるが,鑑別診断上参考になる事項としては,①潰瘍性病変の方向性(腸結核では横軸方向,Crohn病や虚血性腸炎では縦軸要素の潰瘍),②病変の罹患部位(小腸の場合,腸結核では腸間膜付着対側,Crohn病では腸間膜付着側に潰瘍は好発する)と共に,③画像の経時的変化の観察が挙げられる.それでもなお確診がつけられず,どのように治療すればよいかとまどう症例があり,これらの症例をどのように取り扱うかが今後の問題である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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