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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻4号

1995年03月発行

文献概要

今月の主題 腸結核 主題症例

腸結核瘢痕部に早期大腸癌を合併した1例

著者: 桑原敏行1 五十嵐潔1 中島康1 高木承1 大高道郎2 正宗研2

所属機関: 1仙北組合総合病院消化器科 2秋田大学医学部第1内科

ページ範囲:P.533 - P.537

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要旨 67歳,女性.肺結核の既往はない.近医での注腸X線検査で横行結腸の異常陰影を指摘され入院.注腸X線検査で盲腸から横行結腸にわたりhaustraの消失,盲腸の変形,伸展不良像,上行結腸の軽度短縮,壁硬化像,瘢痕萎縮帯を認めた.横行結腸右側に分葉状広基性隆起性病変,およびその周辺には半球状の小ポリープが散在性に認められた.大腸内視鏡検査では盲腸に多発潰瘍瘢痕と偽憩室形成を認め,横行結腸に径約25mmの分葉状扁平隆起型腫瘍を認めた.その周囲を含め上行結腸から横行結腸まで粘膜の萎縮が著明であった.大腸結核瘢痕部に合併した早期大腸癌と診断し,右半結腸切除術を施行した.組織学的には腺管絨毛腺腫内癌で,粘膜下層に線維化を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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