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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻4号

1995年03月発行

文献概要

今月の主題 腸結核 主題症例

陳旧性腸結核に大腸癌を合併した1例

著者: 片山麻子1 堀向文憲1 田口夕美子1 土屋和彦1 井川守仁1 宮岡正明1 斉藤利彦1 加藤孝一郎2 小柳泰久2

所属機関: 1東京医科大学第4内科 2東京医科大学第3外科

ページ範囲:P.543 - P.547

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要旨 患者は,79歳,男性で便潜血陽性を主訴に来院.注腸検査,大腸内視鏡検査で,盲腸部の偽憩室形成,上行結腸の短縮を認め,陳旧性腸結核が疑われ,また,上行結腸肝彎曲部に粘膜集中を伴う陥凹性病変を認めた.生検の結果,中分化腺癌と診断され,右半結腸切除術が施行された.切除標本では,上行結腸肝彎曲部に大きさ35×30mmの潰瘍浸潤型の病変を認めた.癌の組織型は中分化腺癌が主体で一部未分化像を示し,深達度は漿膜下層までであった.切除標本の全割検索により,上行結腸から盲腸部にUl-Ⅲの潰瘍瘢痕と,癌の近傍にUl-Ⅱの潰瘍瘢痕を認めた.乾酪性,非乾酪性肉芽腫は認められず,異型上皮も認められなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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