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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻4号

1995年03月発行

文献概要

今月の主題 腸結核 主題症例

cobblestone-like appearanceを呈した大腸結核の1例

著者: 田中信治1 春間賢1 平賀裕子1 国弘真己1 岡本英一1 谷洋1 河口弘行1 隅井雅晴1 吉原正治1 隅井浩治1 梶山梧朗1 田利晶2

所属機関: 1広島大学医学部第1内科 2広島赤十字原爆病院内科

ページ範囲:P.549 - P.554

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要旨 患者は43歳,女性.主訴は発熱,水様性下痢.約2か月間近医で対症療法を受けていたが,低蛋白血症,貧血を呈するようになり,当科紹介入院となった.注腸造影・大腸内視鏡検査では上行結腸に潰瘍を伴うcobblestone-like appearanceを認め,横行結腸にskip lesionを認めた.Crohn病を疑いIVHおよびSalazopyrin投与で加療したが病状の改善を認めなかった.1か月後,2回目の大腸内視鏡検査での生検で乾酪性肉芽腫を認め,大腸結核と確診した.抗結核剤の投与により,臨床症状および注腸・内視鏡像は改善した.本症例はcobblestone-like appearanceを認め,Crohn病と大腸結核を鑑別するうえで示唆に富む症例であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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