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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻4号

1995年03月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

胃粘膜下腫瘍様の形態を呈した胃癌の1例

著者: 江頭由太郎1 滝内比呂也1 岡成樹1 梅垣英次1 田中雅也1 芦田潔1 浅田修二1 平田一郎1 勝健一1 岡島邦雄2

所属機関: 1大阪医科大学第2内科 2大阪医科大学一般・消化器外科

ページ範囲:P.577 - P.581

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要旨 患者は64歳の男性で,黒色便を主訴に当科に来院した.胃X線検査および胃内視鏡検査で胃体中部小彎にbridging foldを有する正常粘膜で被覆された母指頭大の粘膜下腫瘍様隆起を認めた.頂部には不整形の浅い陥凹がみられ,この辺縁にⅡC様の蚕食像が認められた.陥凹からの生検で低分化腺癌の組織が得られ,EUSでは隆起部に一致して第4層まで達する腫瘤がみられたことから進行胃癌と術前診断した.切除標本の病理学的検索では隆起を形成していたのは粘膜下層を主体に発育し漿膜下層に及ぶ低分化腺癌であった.粘膜下腫瘍様形態を呈する胃癌の診断には胃X線検査および内視鏡検査による詳細な観察が重要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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