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今月の症例
2.直腸の粘膜脱症候群の1例
著者: 斉藤裕輔1 垂石正樹1 榮浪克也1 野村昌史1 綾部時芳1 蘆田知史1 柴田好1 並木正義1
所属機関: 1旭川医科大学第3内科
ページ範囲:P.606 - P.608
文献購入ページに移動〔注腸X線所見〕下部直腸後壁側(病変A)と中部直腸前壁左側寄り(病変B)に2個の粘膜下腫瘍様隆起性病変を認める(Fig. 1).病変Aの隆起頂部にはバリウム斑を認め(Fig. 1,矢印),病変Bはなだらかな立ち上がりを示している(Fig. 2).直腸下部前壁側には病変Bから連続するように隆起性病変(病変C)を認める.病変Cは病変A,Bとはやや異なり,比較的明瞭な立ち上がりを有し,隆起頂部にはバリウム斑を認める.また,病変Cから後壁側へ延びる線状のバリウム斑と,その先端に皺襞集中を伴った,潰瘍と考えられる浅いバリウム斑(病変D)を認める(Fig. 3).明らかな偽憩室形成や縦走する索条の粘膜ひだの所見は認めない.
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