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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻5号

1995年04月発行

今月の主題 colitic cancer―微細診断をめざして

主題症例

潰瘍性大腸炎合併大腸癌の2例―特に肉眼形態と表面パターンについて

著者: 篠崎大1 沢田俊夫1 斉藤幸夫1 樋口芳樹1 鈴木公孝1 鮫島伸一1 武藤徹一郎1 松村健三2

所属機関: 1東京大学医学部第1外科 2松村クリニック

ページ範囲:P.671 - P.676

文献概要

要旨 潰瘍性大腸炎(UC)に合併した大腸癌2例を呈示した.〔症例1〕は66歳,女性.経過20年の全大腸炎型のUCで,偶然の理由から内視鏡検査を施行し,S状結腸に径3cmの扁平隆起が認められた.病変はこのほかに2個認められたが,すべて粘膜にとどまる腫瘍性病変であった.〔症例2〕は44歳,女性.経過21年の全大腸炎型の難治性UCとして紹介されたところ,術前検査で下行結腸に異常形態を指摘され,あたかも炎症性ポリープの集簇のごとくであったが,表面パターンはvillous tumorに類似するため内視鏡的に腫瘍と診断し,生検で確認された.UC合併大腸癌のサーベイランスにおいて,異常形態が認められた場合には,その表面のパターンを詳細に観察することにより,内視鏡的に診断可能であることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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