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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻5号

1995年04月発行

今月の主題 colitic cancer―微細診断をめざして

主題症例

潰瘍性大腸炎に合併した結節集簇様病変の1例

著者: 岡村正造1 瀬川昴生1 大橋信治1 三竹正弘1 中川浩1 藤井康彰1 宮田敬博1 神谷健司1 山本義樹2 浅井俊夫3

所属機関: 1豊橋市民病院内科 2山本内科 3浅井内科

ページ範囲:P.691 - P.695

文献概要

要旨 患者は31歳,男性.1982年10月から血性下痢が出現し,翌年全結腸型潰瘍性大腸炎と診断された.その後,salazosulfapyridine投与のみで明らかな再燃はなかったが,発症後約8年目の大腸X線・内視鏡検査で,中部直腸に約半周性の軽度発赤した平坦な結節集簇様病変を認めた.手術で,大きさ35×30mmの平坦な隆起性病変で,大小の結節が集簇していた.病理組織学的には中等度異型を伴う管状絨毛腺腫で,癌の部分は認めなかった.病変周囲粘膜は萎縮が著明で,病理組織学的にも寛解期の潰瘍性大腸炎に合致し,dysplasiaは認めなかった.なお,遡及的検討で,3年前のX線検査では,同部位に22×22mmの不整な顆粒と小結節が集簇する病変を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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