早期胃癌研究会症例
一部にverrucous carcinoma様発育形態を伴った0-Ⅱa+Ⅱc型食道表在癌の1例
著者:
高濱和也1
中野浩1
神谷雅人1
野村知抄1
八木伸郎1
大橋儒郁1
外間政希1
中村祐子1
加藤真二1
大橋秀徳1
保原怜子1
伴雅彦1
前田玲二1
竹内文康1
北川康雄1
高野映子1
渡邊真1
伊藤圓1
宮川秀一2
早川真人2
石原慎2
三浦馥2
黒田誠3
所属機関:
1藤田保健衛生大学医学部消化器内科
2藤田保健衛生大学医学部外科
3藤田保健衛生大学医学部病理科
ページ範囲:P.703 - P.708
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要旨 患者は73歳,男性.心窩部不快感を主訴として当科に入院.内視鏡検査で小膨隆白色斑の集簇と発赤した浅い陥凹を認めた.これらの部分はヨード撒布で,ヨード不染帯を示した.食道二重造影像では下部~中部食道(Ei~Ⅰm)に顆粒状粘膜を認め,その口側には少し濃いバリウムの付着を認めた.0-Ⅱa+Ⅱc型食道表在癌,深達度mmと診断した.切除標本では,97×45mmの大きさの病変を認め,胃側には白色小結節状の少し隆起したⅡa部分とその口側には浅い陥凹を示すⅡc部分があり,これらの部分はヨード不染帯を示した.病理組織診断は,高分化型扁平上皮癌でⅡaの部分はverrcous carcimomaの発育形態を示し,深達度はmm3,Ⅱcの部分は深達度epとmm1であった.