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今月の主題 粘膜下腫瘍の形態を示した胃癌 序説
粘膜下腫瘍の形態を示した胃癌
著者: 吉田茂昭1
所属機関: 1国立がんセンター東病院内科
ページ範囲:P.737 - P.738
文献購入ページに移動原発性の上皮性腫瘍でありながら非上皮性腫瘍の形態をとることの説明は,組織発生の場で詳しく論じられるものと思われるが,単純に思い浮かぶのは,胃の扁平上皮癌や類腺癌などのような深部浸潤の優勢な癌の存在である.しかし,これらが粘膜下腫瘍の形態をとることは極めてまれであり,通常は粘膜下膨隆像に決壊した局面を有する腫瘍像としてみられるのである.すなわち,胃癌が粘膜下腫瘍の形態を示すには,深部浸潤した癌細胞そのものが腫瘤像を形成するのではなく,何らかの機転が加わることが必要なのである.
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