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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻6号

1995年05月発行

今月の主題 粘膜下腫瘍の形態を示した胃癌

主題

粘膜下腫瘍様形態を示す胃癌の臨床病理学的特徴

著者: 河田佳代子12 石黒信吾1 辻直子1 寺尾壽幸1 鈴木典子12 内田俊之12 野瀬邦憲1 建石竜平1

所属機関: 1大阪府立成人病センター病理検査科 2大阪市立大学医学部第3内科

ページ範囲:P.739 - P.746

文献概要

要旨 粘膜下腫瘍様形態を示した胃癌(SMT様癌)について臨床病理学的・組織学的な検討を行い,その特徴を粘膜下腫瘍(SMT)と対比して検討し,更に文献的な検討を行った.その結果,SMT様癌は,組織学的に,①por1(endocrine cell carcinomaを含む)とcarcinoma with lymphoid stromaの群,②組織型にかかわらずリンパ球浸潤の強い群,③癌巣周辺に限局した線維化を認める群,④粘液癌,⑤粘膜下異所性腺からの発生が考えられる群,⑥その他,に分類できた.またSMT様癌の成り立ちは,腫瘍自体が粘膜下で膨張性に増殖する型と,腫瘍周辺の反応性変化のために膨張性の病変となるものに分類できた.SMT様癌は,SMTと比較して,占居部位はA領域に多く,高さが低く,隆起の基部が不整で,陥凹面が大きく不整で浅いものが多く,比較的深いものでは内掘れ傾向があるものが多かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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