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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻6号

1995年05月発行

今月の主題 粘膜下腫瘍の形態を示した胃癌

主題

粘膜下腫瘍の形態を示した胃癌のX線診断

著者: 中野浩1 宇野浩之1 外間政希1 中村祐子1 野村知抄1 八木伸郎1 西井雅俊1 前田玲二1 保原怜子1 大橋秀徳1 高濱和也1 渡邊真1 伊藤圓1 黒田誠2

所属機関: 1藤田保健衛生大学消化器内科 2藤田保健衛生大学病理科

ページ範囲:P.747 - P.757

文献概要

要旨 粘膜下腫瘍の形態を示した低分化腺癌の2例,膠様腺癌の1例,リンパ球浸潤性髄様癌の2例を挙げ,主にこれらの症例のX線所見について述べた。報告症例と照らし合わせてみても,呈示した症例はこれらの症例にみられる特徴的な所見を備えていた.低分化腺癌の充実型では,クラーテルの形,辺縁の不整,硬さ,また周堤,腫瘍の形のいびつさ,硬さ,表面の凹凸不整から悪性リンパ腫との鑑別が可能である.膠様腺癌では柔らかな腫瘍の表面に浅い陥凹がみられ,その描出,診断に難しさがある.リンパ球浸潤性髄様癌では,硬い感じのする腫瘤の表面に浅い不整陥凹がみられた.また,腫瘤と陥凹に位置的なずれが認められた.これらの症例では,腫瘤の形,表面の性状,またX線的な硬さ,そして陥凹の形,硬さ,またその辺縁の微細な不整さを描出するとX線診断上,胃癌の診断が可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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