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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻6号

1995年05月発行

今月の主題 粘膜下腫瘍の形態を示した胃癌

主題症例

粘膜下腫瘍の形態を示した早期胃膠様腺癌の1例

著者: 薮崎裕1 畠山勝義1 鈴木力1 藍澤喜久雄1 西巻正1 田中陽一1 田中典生1 岡至明1

所属機関: 1新潟大学医学部第1外科

ページ範囲:P.814 - P.818

文献概要

要旨 患者は79歳,男性.タール便を主訴に受診.胃X線および内視鏡検査で,前庭部小彎に不整陥凹を伴う粘膜下腫瘍と診断された.陥凹部の生検では診断はつかなかったが,同時に発見されたS状結腸癌のためS状結腸切除術を施行した.胃粘膜下腫瘍に対してはまず腫瘍を摘出し,術中迅速病理診断で膠様腺癌と診断されたため,胃亜全摘術が施行された.病理組織学的には,胃癌細胞は粘膜下層までに限局し,正常粘膜を下から押し上げる形で増殖していた.粘膜下腫瘍様形態を示す早期胃膠様腺癌は非常にまれな疾患であり,本邦報告例は8例のみである.組織学的特徴を反映した特異的な発育形態と診断・治療について考察を加え検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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