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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻6号

1995年05月発行

文献概要

研究

家族性大腸腺腫症における微小陥凹型大腸腺腫―実体顕微鏡・組織学的および形態計測学的検索

著者: 久保田修1 喜納勇1 新井冨生1 中村真一2 馬塲正三3

所属機関: 1浜松医科大学第1病理 2岩手医科大学中央臨床検査部病理 3浜松医科大学第2外科

ページ範囲:P.833 - P.841

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要旨 家族性大腸腺腫症26例の切除標本を実体顕微鏡下に観察し,任意に抽出した長径2mm以下の隆起型および陥凹型の微小大腸腺腫各100病変を系統的に観察した.一般に,陥凹型腺腫では1mm未満の病変は水平方向の発育を示したが,1mm以上の病変では隆起として捉えられるものが増加し,更に隆起型への移行像と考えられる病変も観察された.しかし,1mm以上でも著明な陥凹を示す特殊な腺腫もごくまれに存在していた.形態計測の結果から,絶対的陥凹は長径1mm未満の陥凹型腺腫では74%(23/31)と高率にみられたのに対し,1mm以上では22%(15/69)と低率であり,また粘膜筋板の隆起所見は1.0~1.5mmを超える病変で認められた.これらのことから,一般に微小陥凹型腺腫は徐々に通常の隆起型腺腫に移行すると考えられた.しかし,ごく一部のものは,比較的大型の陥凹型腺腫に成りうることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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