胃と腸30巻7号

1995年06月発行

今月の症例

1．原発性虫垂癌の1例

著者： 飯田昌幸¹ 後藤和夫¹ 白木茂博¹ 岡山安孝¹ 滝本一² 伊藤信孝² 伊藤誠³ 武内俊彦³

所属機関： ¹岐阜県立多治見病院消化器科 ²岐阜県立多治見病院外科 ³名古屋市立大学第1内科

ページ範囲：P.852 - P.853

〔患者〕65歳，女性，自営業．下腹部不快感があり近医を受診．便潜血陽性を指摘され，当科を受診した．検査成績では，便潜血陽性のほか軽度貧血を認めた．

〔注腸X線所見〕盲腸に径約2.5cm大の半球状の隆起性病変を認めた．隆起の肛門側は辺縁整で境界も明瞭であったが（Fig. 1），虫垂側は辺縁が不整で，その表面は結節状であった（Fig. 2）．