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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻7号

1995年06月発行

文献概要

今月の主題 大腸の悪性リンパ腫 主題

大腸悪性リンパ腫の画像診断

著者: 林繁和1 岡村正造2 瀬川昂生2 丹羽康正3 塚本純久3

所属機関: 1名古屋掖済会病院消化器科 2豊橋市民病院内科 3名古屋大学医学部第2内科

ページ範囲:P.895 - P.908

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要旨 大腸原発悪性リンパ腫10例13病変について大腸X線および内視鏡所見を中心に検討した.肉眼形態は限局型とびまん型に分けられ,限局型は隆起型7病変,潰瘍型5病変,びまん型は1病変であった.隆起型は表面平滑な例では粘膜下腫瘍と診断されたが,粗大結節状を呈し,癌と鑑別困難な例もあった.潰瘍型は周堤が平滑で潰瘍の辺縁が鮮明なものは粘膜下腫瘍と診断されたが,2型癌と鑑別困難な例もあった.びまん型では炎症性腸疾患との鑑別も問題となった.画像診断のみで悪性リンパ腫と診断できるような特徴的な所見はなく,生検で診断できた例も42.9%にすぎなかった.本症は多彩な肉眼形態を取るので,他の腫瘍性疾患はもちろん炎症性疾患と鑑別困難な画像所見を呈しうることを知っておくことが重要であり,悪性リンパ腫に類似する画像を呈した他疾患症例も併せ呈示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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