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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻8号

1995年07月発行

今月の主題 表層拡大型食道表在癌

主題

表層拡大型食道表在癌の臨床病理学的検討およびX線診断

著者: 加来幸生1 馬場保昌1 武本憲重1 酒井達也1 森田秀祐1 田中文彦1 竹腰隆男1 丸山雅一1 松原敏樹2 植田守2 加藤洋3 柳澤昭夫3

所属機関: 1癌研究会付属病院内科 2癌研究会付属病院外科 3癌研究会付属病院研究所病理部

ページ範囲:P.985 - P.999

文献概要

要旨 表層拡大型(表拡型)食道表在癌の臨床病理とX線所見について検討した.表拡型の定義は食道癌取扱い規約(第8版)に従った.①表拡型は全食道表在癌の15%を占め,決してまれではなかった.②表在癌に比べてly因子陽性率は高かったが,v,n因子陽性率はむしろ低く,予後不良の所見は認められなかった.表拡型の予後は,表在癌と同様に癌の拡がりの大きさよりも,深達度と密接な関係にあることがわかった.③表層進展部のX線所見は,m癌のX線所見の成り立ちと基本的には同じであった.すなわち,m1では境界不明瞭の淡い陰影斑を認めたが,所見の拾い上げは難しく,m2,m3の混在する量が増加するにしたがって顆粒状所見や部分的に濃い陰影斑が目立ち,容易に診断できた.縦ひだの変化は,陽性率は高いが正常部でも認められ,癌との区別が難しかった.側面像の異常は,陽性率が低く,癌の進展範囲の診断に有効とは思えなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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