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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻8号

1995年07月発行

今月の主題 表層拡大型食道表在癌

主題

表層拡大型食道表在癌のX線診断―拡がりの診断,深達度診断

著者: 加藤久人1 吉田操2 瀬ノ口洋史1 斉藤彰一1 藤谷幹浩1 河野通康1 光永憲央1 冨松久信1 早川尚男1 高木直行1 池延東男1 市川平三郎1 小池盛雄3

所属機関: 1早期胃癌検診協会 2東京都立駒込病院外科 3東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.1001 - P.1010

文献概要

要旨 表層拡大型食道表在癌の典型病変は長径5cm以上の0-Ⅱ型病変である.6病変を対象に,X線画像上の拡がりの診断と深達度の診断について,病理組織所見と対比して検討した.①病巣辺縁深達度は全例m1であった.拡がりの診断には空気少量像のひだ変化が有用であり,口側,肛門側12辺縁中,0-Ⅱcの7辺縁と全層型発育の0-Ⅱb1辺縁は,輪郭不鮮明なひだ,ひだの蛇行,口径不同などの変化として描出された.しかし,基底層型発育の0-Ⅱb4辺縁の境界の診断は困難であった.②表層拡大型では広い病巣の一部分のみで深く浸潤する場合が多いため,浸潤部の存在診断,深達度診断には,側面像のほかに,正面像を基盤とした診断が必要であった.0-Ⅱb病変では,空気少量でひだの変化,空気中等量で輪郭不明瞭な顆粒像が見られ,空気大量では顆粒像が不明瞭になった.m2aの0-Ⅱc病変では空気少量,中等量では同様の所見であったが,空気大量でも粗糙面が見られた.m3,sm1病変では深達度m3の領域に一致してひだの肥厚所見が認められた.特にsm1病変では,ひだの肥厚所見が18mmと広範囲に見られ,m3,sm1の診断に有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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