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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻8号

1995年07月発行

文献概要

今月の主題 表層拡大型食道表在癌 主題

表層拡大型食道表在癌の内視鏡診断―臨床病理学的検討と内視鏡診断の精度

著者: 有馬美和子1 神津照雄1 小出義雄1 磯野司一1

所属機関: 1千葉大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1011 - P.1020

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要旨 食道癌取扱い規約の定義から,表層拡大型食道表在癌を0-Ⅱ型で表現される長径5cm以上の拡がりを示す表在型癌と解釈し,5cm未満の症例と臨床・病理学的特徴を比較検討した.表層拡大型食道表在癌は6例で,当科の表在型食道癌切除例の5.6%であった.全例全周性で深達度はm3 3例,sm2 3例,深達度の深い部分は病巣中央部で小範囲に複数の箇所でみられ,導管内伸展やリンパ管侵襲が多発する傾向が明らかとなった.術前の内視鏡診断の精度について,病理組織像と対比しながら検証した.病変内部のびらんや凹凸を細かく読み分けるためにはトルイジンブルー・ヨード二重染色法の併用が不可欠であるが,深達度の深い部位を正確に診断するのは難しく,実際の深達度よりも一段浅く診断する傾向がみられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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