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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻8号

1995年07月発行

文献概要

今月の主題 表層拡大型食道表在癌 主題

表層拡大型食道表在癌の内視鏡診断―診断のコツと発育過程への考察

著者: 幕内博康1 町村貴郎1 島田英雄1 水谷郷一1 菅野公司1 千野修1 西隆之1 田仲曜1 徳田裕1 貞広荘太郎1 田島知郎1 三富利夫1

所属機関: 1東海大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1021 - P.1032

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要旨 目立った隆起や陥凹を示さない5cm以上に及ぶ表層拡大型食道癌は,表在癌切除例223例中20例を占め,m癌8例,sm癌12例であった.全例男性で,胸部中部食道を中心に存在し,多発病巣を有するものが40%を占めた.リンパ節転移は35%に認められ,m1~m2 0%,m3~sm1 11.1%,sm2~sm3 66.7%,脈管侵襲は60%に認められ,m1~m2 0%,m3~sm1 55.6%,sm2~sm3 77.8%となり,いずれも表在癌全体と差を認めなかった.予後も原病死は3年後に死亡した1例のみであった.内視鏡観察では食道内腔をよく水洗して観察し,軽い発赤や混濁に注意し,ヨード染色を行う.ヨード染色で初めて認識できるもの,網目状・豹紋状に染色されるものは深達度が浅く,中央部付近に深い部分があるので注意を要する.深達度は一段深目に読んだほうがよい.表層拡大型食道癌の発育伸展過程について検証し,仮説を立てた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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