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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻8号

1995年07月発行

文献概要

今月の主題 表層拡大型食道表在癌 主題

表層拡大型食道表在癌の病理

著者: 川村徹1 滝澤登一郎1 船田信顕1 猪狩亨1 比島恒和1 迫間隆昭1 鄭子文1 小池盛雄1

所属機関: 1東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.1033 - P.1039

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要旨 現行の食道癌取扱い規約の病理肉眼分類で表層拡大型食道表在癌は,“目立った隆起や陥凹がなく,長軸方向に5cm以上の拡がりを示す表在型癌”とされている.上記の定義にかなった単純型の表層拡大型表在癌と,一部に隆起や陥凹を伴う混合型の表層拡大型表在癌に分けて病理組織学的な検索を施行した.深達度別の脈管侵襲の程度やリンパ節転移の頻度は一般の表在癌のそれと差異はなかった.混合型の最深部分は0-Ⅰ型や0-Ⅲ型の部分であるが,病変の中心からややはずれて位置する.導管内進展の頻度が高く,癌の進展様式に関与している可能性が示唆された.混合型の浸潤部である0-Ⅰ型の部分は,深達度の浅い0-Ⅱ型の部分より細胞増殖能が高い.p53染色の陽性率は15/19例(78.9%)で,一般の表在癌の30/57例(52.6%)より高かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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