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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻8号

1995年07月発行

今月の主題 表層拡大型食道表在癌

主題

アンケート調査からみた表層拡大型食道表在癌の実態―第31回食道色素研究会集計報告

著者: 松本克彦1 内田雄三1

所属機関: 1大分医科大学第2外科

ページ範囲:P.1041 - P.1048

文献概要

要旨 第31回食道色素研究会において表層拡大型食道癌症例167例を集計し,病理組織学的所見,治療成績について検討した.肉眼型は0-Ⅱc型を中心とした病変が最も多く,深達度が深くなるにつれて0-Ⅱaあるいは0-Ⅱa+Ⅱcなどで表現される混合型の比率が増加した.167例中77例(46.1%)に脈管侵襲を認めた.m癌では23.8%(m1;5.6%,m2;14.8%,m3;40%)にリンパ管侵襲を,3.8%(m3)に血管侵襲を認め,sm癌では64.4%にリンパ管侵襲を,20.7%に血管侵襲を認めた.R0,R1症例を除外した132例中36例(27.3%)にリンパ節転移を認め,m癌では8.8%(全例m3),sm癌では41.3%(sm1;18.2%,sm2;41.4%,sm3;62.5%)であった.病巣の拡がりと共に脈管侵襲,リンパ節転移が増す傾向がみられた.全症例における他病死を含めた5年生存率は87.2%であり(m癌;96.3%,sm癌;81.7%),予後は比較的良好であるが,脈管侵襲,リンパ節転移の頻度から,根治手術に際してはリンパ節郭清を十分に行う必要性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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