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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻8号

1995年07月発行

文献概要

今月の主題 表層拡大型食道表在癌 主題症例

0-Ⅱc型表層拡大型食道m癌の1例

著者: 中村努1 井手博子1 江口礼紀1 林和彦1 中村英美1 太田正穂1 谷川啓司1 菊池哲也1 羽生富士夫1 山田明義2 村田洋子3 鈴木茂3 河村一敏4

所属機関: 1東京女子医科大学消化器外科 2東京女子医科大学消化器放射線科 3東京女子医科大学消化器内視鏡科 4河村医院

ページ範囲:P.1071 - P.1075

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要旨 患者は55歳の女性で嘔気,心窩部痛を主訴に河村医院を受診し,内視鏡検査で食道癌の診断を受けた.病変は上切歯列から25~40cmに及ぶ平坦なやや赤色調で,ヨード染色で不染帯を呈していた.上切歯列から30cmに凹凸のはっきりした部があり,最深部(SM1)と診断した.上切歯列から37cmの部に低い盛り上がりがあり,深達度m2と診断した.以上からⅡc+Ⅱa型表層拡大型食道表在癌と診断した.一方,EUSで106rRのリンパ節転移が疑われたため,手術は右開胸開腹で食道亜全摘し,後縦隔経路で胃管によって再建した.切除標本でわずかな盛り上がりの部分が最深部でm2,その他の部分はすべてm1で0-Ⅱc型のm癌であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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