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編集後記
著者: 神津照雄
所属機関:
ページ範囲:P.1094 - P.1094
文献購入ページに移動 表層拡大型食道表在癌の特集を興味深く読ませていただいた.その中で特に興味が持たれるのは徳田論文にも触れられているように,その初期像の成り立ちであろう.その初期像の成り立ちは最近の粘膜癌の経過観察の積み重ねから次第に解明されてくるであろう.表層拡大型癌は,取扱い規約によれば“目立った隆起や陥凹がなく,長軸方向に5cm以上の拡がりを示す表在型癌”と定義されている.しかし5cm未満の症例と比較すると,その差はやはり深達度にある.表層拡大型癌では多くの症例が病巣中心部に存在することが多い.しかし,そうでない症例も中にはみられた.その場合,切除標本をジックリ見ると必ず凹凸のある部分が最も深達度の深い所である.その辺りの読影がX線診断に要求される点であろう.将来的にはm1~2の表層拡大型癌の発見も更に増加しよう.その場合の治療法も再考される時期が来ると思われる.
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