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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻9号

1995年08月発行

文献概要

今月の主題 胃の平滑筋腫と平滑筋肉腫―新しい視点を求めて 主題

胃平滑筋腫瘍の治療法の選択―腹腔鏡下手術

著者: 加納宣康1 山川達郎1

所属機関: 1帝京大学医学部付属溝口病院外科

ページ範囲:P.1163 - P.1168

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要旨 胃平滑筋腫瘍に対する内視鏡的治療,特に腹腔鏡下手術について述べた.腹腔鏡下の胃平滑筋腫瘍摘出術としては,胃の漿膜側からアプローチする方法と粘膜側からアプローチする方法(腹腔鏡下胃内手術)がある.漿膜側からの胃平滑筋腫瘍摘出術には,漿膜を切開して腫瘍を核出する方法と胃壁全層を部分切除する方法とがある.前者は粘膜を損傷しないように摘出する手技であり繊細なテクニックを要するが,全層切除と異なり切除後の管腔の狭窄を来す可能性が低い.後者は胃壁を全層にわたって切除できるため腫瘍の完全摘出が容易にできるという長所がある反面,噴門近傍および幽門輪近傍は切除後の狭窄を来す可能性があり,適応を慎重に決定する必要がある.胃内からの腹腔鏡下胃粘膜下腫瘍摘出術は,腹腔鏡下胃内手術のテクニックを応用して胃内腔から腫瘤を切除するもので,胃平滑筋腫瘍でも胃内腔に向かって発育したものが適応となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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