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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻9号

1995年08月発行

今月の主題 胃の平滑筋腫と平滑筋肉腫―新しい視点を求めて

主題

胃平滑筋腫瘍の治療法の選択―外科的治療

著者: 笹子三津留1 片井均1 佐野武1 野田徳子1 丸山圭一1 落合淳志2 下田忠和2 古賀浩徳3

所属機関: 1国立がんセンター中央病院外科 2国立がんセンター中央病院病理 3久留米大学第1内科

ページ範囲:P.1169 - P.1174

文献概要

要旨 胃の平滑筋腫瘍は組織生検で良・悪性の鑑別が困難であり,3cm以上の腫瘍は治療の対象と考えられる.また,それ以下の大きさでも,超音波内視鏡で内部構造が不均一であったり,腫瘍の頂点に潰瘍形成が見られる場合には治療の対象となる.転移については,リンパ節転移がまれで,肝転移と腹膜播種転移が主である.予後因子としては,遠隔転移の存在,高度の核異型度,細胞分裂指数が最も重要で,腫瘍径や潰瘍の有無はそれらとの相関が強く,肉眼的に予後を判断する材料となりうる.リンパ節郭清は予後に寄与せず,胃体部や穹窿部が好発部位であることを考え合わせると,噴門・幽門機能を完全に温存した胃の局所切除が第一選択術式である.本腫瘍は切除中に破裂させると腹膜播種再発が必至であり,注意深い操作が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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