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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻9号

1995年08月発行

今月の主題 胃の平滑筋腫と平滑筋肉腫―新しい視点を求めて

主題症例

遡及的検討で急速発育が確認された胃平滑筋肉腫の1例

著者: 魚住淳1 石川勉1 岩渕正広1 島雅保1 児嶋弘泰1 内山菜智子1 山城正明1 中嶋秀麿1 飯沼元1 宮川国久1 牛尾恭輔1 木下平2 落合淳志3 下田忠和4 松尾成久5

所属機関: 1国立がんセンター中央病院放射線診断部 2国立がんセンター東病院外科 3国立がんセンター研究所病理部 4国立がんセンター中央病院臨床検査部 5川崎胃腸病院

ページ範囲:P.1187 - P.1191

文献概要

要旨 患者は64歳,男性.1992年4月の胃X線検査で体上部後壁大彎寄りに23×17mmの粘膜下腫瘍を認めた.超音波内視鏡検査では筋原性腫瘍と診断された.患者は検診の受診歴があり,遡及的検討を行った.1990年4月の胃X線検査では同部位に最大径が10mmの隆起性病変を認め,腫瘍発育速度(doubling time,以下DT)は6.6か月であった.腫瘍の急速な増大により,悪性と診断し胃局所切除術が施行され,組織学的に胃平滑筋肉腫と診断された.筋原性腫瘍の良・悪性の鑑別診断は困難であることが少なくなく,特に本症例のような小さな筋原性腫瘍は外科的切除を含めた臨床的取り扱いが問題となる.このような場合,腫瘍のDTは良・悪性の鑑別診断に有効であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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