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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻9号

1995年08月発行

文献概要

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海外文献紹介「Helicobacter pytori感染はヒトの胃粘液ゲルの粘性を低下させない」

著者: 鈴木隆史1

所属機関: 1愛知県がんセンター消化器内科

ページ範囲:P.1191 - P.1191

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 十二指腸潰瘍患者のほぼ全例に,そして胃潰瘍患者の75%以上にHelicobacter Pylori(HP)が検出されることはよく知られており,HP感染が消化性潰瘍の発症と治癒に深く関わっていると考えられるが,そのメカニズムについては不明な点が多い.過去の可溶性粘液やそのコンポーネントを用いたinvitroでの研究結果から,HPは胃粘液ゲル層に傷害を与え,酸やペプシンの逆拡散を許すため,組織障害を引き起こすといった仮説が考えられてきた.今回著者らは,HPの胃粘液の粘性に及ぼす影響につき,invivoの系で検討した.

 urea breathテストでHPの存在を確認した19例の消化性潰瘍患者を対象とした.3剤(tetracycline,metronidazole,bismuth製剤を2週投与)で除菌を試み,薬剤投与終了後4週以上urea breathテスト陰性で除菌を確認した.胃管を留置し,ペンタガストリン投与前後で15分ごとに4回,計8回胃液を採取した.粘液の粘度は,microvisco・meterを用いshearrate1.15~46(/s)で測定された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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