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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻9号

1995年08月発行

早期胃癌研究会症例

印環細胞癌が主体であった表面型早期大腸癌の1例

著者: 泉信一1 斉藤裕輔1 渡二郎1 野村昌史1 榮浪克也1 垂石正樹1 藤井常志1 首藤龍人1 横田欽一1 伊藤毅2 近藤信夫3 並木正義1

所属機関: 1旭川医科大学第3内科 2網走厚生病院外科 3旭川厚生病院病理部

ページ範囲:P.1195 - P.1200

文献概要

要旨 患者は67歳の女性.既往歴として1992年7月に膵粘液嚢胞腺癌で膵体尾部,脾合併切除術を受けている(stageⅠ).1993年12月,検診目的で施行した大腸内視鏡検査で,盲腸前壁に表面が発赤調で,一部にわずかな褪色面を有する約15mm大の扁平な隆起性病変を認めた.注腸X線検査では病変は明らかな陥凹面を有し,一部はなだらかに隆起し,sm浸潤癌を考えた.更に細径超音波プローブ検査でも粘膜下層への中等量の浸潤所見を認め,Ⅱc+Ⅱa型の表面型大腸sm癌と診断し,回盲部切除術を施行した.病理組織学的には,粘膜内では高分化腺癌と印環細胞癌が混在し,粘膜下層では印環細胞癌が線維化を伴って中等量浸潤していた.本症例は術前の画像診断からsm中等量浸潤との診断が可能で,更に,内視鏡的に腫瘍表面のわずかな腿色面から印環細胞癌の可能性も考えられ,興味ある症例として報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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