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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻9号

1995年08月発行

症例

Crohn病に合併した肛門直腸粘液腺癌の1例

著者: 古川尚志1 松井敏幸1 真武弘明1 竹中国昭1 櫻井俊弘1 八尾恒良1 二見喜多郎2 有馬純孝2 長谷川修三3 山田豊3 岩下明徳3

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2福岡大学筑紫病院外科 3福岡大学筑紫病院病理

ページ範囲:P.1201 - P.1207

文献概要

要旨 患者は31歳,女性.15年来の痔瘻と8年にわたるCrohn病の病歴を有し,肛門部痛,肛門出血を主訴に来院した.肛門部には通常のskin tagとは様相の異なる褐色調の巨大な結節状隆起を認め,腫瘤近傍の正常と思われる皮膚にも圧痛を伴う硬結が見られた.注腸X線検査では,肛門輪から約10cmにわたり全周性の狭窄を認め,3型大腸癌と診断した.肛門部腫瘤および大腸病変部の生検で粘液腺癌と診断し,骨盤内臓器全摘出術を施行した.切除標本の病理学的検索と病歴,臨床所見から,本例はCrohn病の痔瘻から発生した粘液腺癌と考えられた.本邦におけるCrohn病に合併した大腸癌の報告は本例が4例目である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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