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文献詳細

雑誌文献

胃と腸30巻9号

1995年08月発行

文献概要

症例

X線・内視鏡像上盲腸・虫垂に限局したアメーバ性大腸炎の1例

著者: 王恒治1 渡辺淳1 大蔵元1 真武弘明1 田中啓二1 高木宏治2 中島豊3 八尾恒良4

所属機関: 1福岡市医師会成人病センター 2福岡市立こども病院感染症センター 3九州大学医学部第1病理 4福岡大学筑紫病院消化器科

ページ範囲:P.1209 - P.1214

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要旨 患者は48歳,男性.1990年4月ごろから糖尿病が悪化し.同時に粘血便.下痢が始まり6月8日入院.注腸造影所見では盲腸の変形,狭小化を認め,虫垂の辺縁は不整であった.同部の大腸内視鏡所見ではpunched outの潰瘍が計3個見られ,更にアフタ様病変も散在していた.潰瘍底の生検で赤痢アメーバが検出され,糞便からも栄養型虫体を認めたため,アメーバ性大腸炎と診断した.また,アメーバ血清反応も高値を示した.metronidazole 1,500mg投与により症状は完全に消失し,治療後約7週目のX線・内視鏡所見でも潰瘍とアフタは完全に消失した.なお,治療前後の虫垂の変化をX線学的に経過観察できた症例は極めてまれであり,その所見は診断上重要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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