文献詳細
今月の主題 胃MALTリンパ腫
序説
文献概要
早期胃癌の診断が軌道に乗ったころ,胃疾患の検討会ではⅡcと鑑別を要する病変としてRLH(reactive lymphoreticular hyperplasia)がもてはやされていた.当時はⅡcとの鑑別がつかず,また病変内の潰瘍が難治性で,自覚症状も持続するということから胃潰瘍同様,手術されることが多く,切除胃の肉眼所見が出揃うこととなった.そして,X線・内視鏡診断,また頼りにされるようになった胃生検診断も手伝い,両者の鑑別は厳密な検査,読影により比較的容易になされるようになっていった.
その後,胃潰瘍の手術が下火になるに従い,いったんRLHと診断すると手術を躊躇し,経過を観察する例も増加した.その中には比較的短期間に進行した悪性リンパ腫の所見を呈する例があったが,このような例の初回生検標本を再照会すると,最初から悪性リンパ腫と言ってもよい例もあった.また,かなりの経過後に悪性リンパ腫の所見を示した報告例も散見され,そのような例を見るにつけ,これは生検だけに頼っては危ないという実感が臨床側に生じた.
その後,胃潰瘍の手術が下火になるに従い,いったんRLHと診断すると手術を躊躇し,経過を観察する例も増加した.その中には比較的短期間に進行した悪性リンパ腫の所見を呈する例があったが,このような例の初回生検標本を再照会すると,最初から悪性リンパ腫と言ってもよい例もあった.また,かなりの経過後に悪性リンパ腫の所見を示した報告例も散見され,そのような例を見るにつけ,これは生検だけに頼っては危ないという実感が臨床側に生じた.
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