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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻1号

1996年01月発行

文献概要

今月の主題 胃MALTリンパ腫 主題

胃MALTリンパ腫の生検診断

著者: 比島恒和1 小池盛雄1 林幸子1 深山正久2 船田信顕1 滝澤登一郎1 猪狩了1 鄭子文1 迫間隆昭1 佐藤栄吾1 中村二郎1 池野佐知子1 茂木孝1 武田和子1

所属機関: 1東京都立駒込病院病理科 2自治医科大学第1病理

ページ範囲:P.33 - P.40

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要旨 胃原発MALTリンパ腫の診断は,臨床医のみならず病理医にとっても難しい.今回,外科的切除が行われたMALTリンパ腫15例を低悪性度10例,高悪性度5例に分類し,生検材料を病理学的に検討した.低悪性度MALTリンパ腫の生検診断に重要な組織学的所見は,細胞浸潤の程度,lymphoepithelial lesion,細胞異型の有無であった.診断上鑑別を要する病変として,良性炎症性病変,印環細胞癌,低分化腺癌,形質細胞腫,他の悪性リンパ腫が考えられた.更に,良性炎症性病変との鑑別にサザンプロット法による遺伝子解析が有用と思われた.高悪性度MALTリンパ腫の生検診断は容易であったが,肉眼形態からも低悪性度病巣内に高悪性度病変が存在することが推察可能であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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