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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻1号

1996年01月発行

文献概要

今月の主題 胃MALTリンパ腫 主題

臨床経過からみた胃MALTリンパ腫の評価―遺伝子診断を含めて

著者: 小野裕之1 斉藤大三1 松本政雄1 近藤仁1 白尾国昭1 横田敏弘1 福田治彦1 山口肇1 中西幸浩2 松野吉宏2 落合淳志2 下田忠和2 吉田茂昭3

所属機関: 1国立がんセンター中央病院内科 2国立がんセンター中央病院病理 3国立がんセンター東病院内科

ページ範囲:P.83 - P.92

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要旨 IsaacsonらがMALTリンパ腫の概念を提唱して以来,胃のリンパ増殖性疾患の診断は大きく変わりつつあるが,その確定診断は定義の明確さに比べて容易ではない.今回,RLHと診断された24例を彼らの基準に準じて見直し診断し,low-grade MALTリンパ腫,AL(atypical lymphoid cell proliferation)とされた12例の自然経過を検討した結果,low-grade MALTリンパ腫8例中4例,AL 4例中全例が生検上,慢性胃炎の像を呈するようになった.更にMALTリンパ腫およびALと診断された10例に対してH. pylori除菌を施行し,6例が生検上,慢性胃炎の像を呈した.また,遺伝子診断の可能性をIgHおよびbcl 2-JH再構成,p53,APC,DCCのLOHについて検討した結果,IgH再構成が補助診断に有用であることが示唆された.以上の結果を踏まえ,現時点でのリンパ増殖性疾患の臨床的取り扱いについても言及した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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