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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻1号

1996年01月発行

早期胃癌研究会症例

粘膜下腫瘍様の小隆起を伴った陥凹型早期大腸癌の1例

著者: 大塚弘友1 清水誠治1 多田正大1 川井啓市2

所属機関: 1京都第一赤十字病院胃腸科 2京都府立医科大学公衆衛生

ページ範囲:P.115 - P.118

文献概要

要旨 患者は64歳,男性.注腸X線検査で,大きさ2.5×1.5cmの浅い陥凹性病変を描出し,内視鏡検査では,褪色調の粘膜を呈する陥凹部と,その口側に恒常性のある小隆起を認めた.帯域強調処理および超音波内視鏡検査を行い,Ⅱc型の粘膜下層浸潤癌と診断し,腸切除術を施行した,病理組織学的検討では,陥凹部は高分化型の粘膜内癌であり,小隆起部は粘膜下層へのわずかな癌の浸潤と,リンパ濾胞の増生と膿瘍の形成による構成であった.小隆起部はすべてが癌の浸潤ではなく,深達度診断を行ううえで,注意を要する形態であった.表面型早期大腸癌の浸潤を考えるうえで,興味深い症例であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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