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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻1号

1996年01月発行

症例

腸閉塞が診断の契機となった回腸終末部カルチノイドの1例

著者: 武藤学1 佐々木高志1 池谷伸一1 斎藤行世1 神谷尚則1 佐藤二三彦1 中山晴夫1 星野英二1 須貝吉樹1 伊藤順造2 望月衛3 浅野重之3 田中昇4

所属機関: 1いわき市立総合磐城共立病院消化器内科 2いわき市立総合磐城共立病院外科 3いわき市立総合磐城共立病院病理 4

ページ範囲:P.119 - P.126

文献概要

要旨 患者は61歳,男性.腹痛を主訴に来院し,腹部X線検査で腸閉塞と診断され入院した.注腸X線検査,小腸造影検査で回盲部に比較的表面平滑な隆起性病変を認めた.大腸内視鏡検査で回盲弁に嵌頓した,表面平滑で一部びらんを伴う発赤調の粘膜下腫瘍様病変を認めた.生検でカルチノイド腫瘍の診断を得,右半結腸切除術を施行した.回盲部は小腸悪性リンパ腫の好発部位であり,同部位のびらんを伴う発赤調の粘膜下腫瘍様病変の診断においては,悪性リンパ腫とカルチノイドの鑑別診断に特に留意すべきと考えられた.また,消化器系カルチノイドにおける造影CT検査および腹部血管造影検査は,病変の進展形式を的確に把握するうえで有用であることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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