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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻10号

1996年09月発行

文献概要

今月の主題 内視鏡的食道粘膜切除後の経過 主題

内視鏡的食道粘膜切除後にm3・sm1と判明した癌への対応

著者: 門馬久美子1 吉田操2 加藤久人1 中村正徳1 葉梨智子2 荒川丈夫2 榊信廣3 中村二郎3 小池盛雄4

所属機関: 1東京都立駒込病院内科 2東京都立駒込病院外科 3東京都立駒込病院内視鏡科 4東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.1207 - P.1215

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要旨 食道表在癌のうち,深達度m3・sm1症例は,リンパ節転移が10~15%に認められる.なかでも,病巣内のごく一部で粘膜筋板に接したり,sm浸潤範囲が狭い症例では,病巣の大部分を占める深達度の浅い病巣として診断され,粘膜切除の適応となりやすい.m3・sm1癌についてのアンケート調査の結果をみると,病変の大きさが大きいもの,m3またはsm浸潤範囲が広いもの,低分化型扁平上皮癌,infγの浸潤を示すものは,脈管侵襲陽性率が高い.また,脈管侵襲の程度が高くなるに従い,リンパ節転移の陽性率が上昇することがわかった.内視鏡的粘膜切除治療後にm3あるいはsm1と判明した場合は,①m3あるいはsm1浸潤部の大きさ,②脈管侵襲の有無③浸潤様式,④先進部での組織型について検討する必要がある.①脈管侵襲陽性例,②infγ症例,③低分化型扁平上皮癌の症例では,リンパ節転移の可能性を考慮して,可能な症例に対しては追加治療を行うべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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