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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻10号

1996年09月発行

早期胃癌研究会症例

自然消失した胃原発悪性リンパ腫の1例

著者: 大橋信治1 岡村正造1 三竹正弘1 中川浩1 金森信一1 神谷健司1 馬淵由起夫1 内藤岳人1 竹田欽一1 瀬川昂生1

所属機関: 1豊橋市民病院消化器内科

ページ範囲:P.1261 - P.1265

文献概要

要旨 患者は64歳の男性.1992年12月の胃内視鏡検査で,胃角部の後壁に辺縁が鋭利な不整形陥凹と粗大胃小区から成る軽度隆起を認め,ⅡC型早期胃癌を疑った.生検は低分化腺癌とされた.9日後の胃X線像では陥凹部がやや縮小したが,悪性サイクルに伴う変化と考えて初回検査の約1か月後に外科切除となった.全割標本の詳細な病理学的検索を行ったが腫瘍細胞はなく,Ul-ⅡSの消化性潰瘍瘢痕のみでリンパ節転移もなかった.生検標本を再検討したところLCA(+),L26(+),keratin(-),UCHL(-)でdiffuse medium sized cell typeの悪性リンパ腫であった.早期と考える胃原発性リンパ腫が約1か月の経過中に病巣内の潰瘍化により脱落消失したものと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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