icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻10号

1996年09月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

腹部超音波とCTで特徴的所見を捉えた虫垂粘液球症の1例

著者: 吉田正樹1 山田昌弘1 藤本正夫1 山口満1 弓倉宏志1 山瀬裕彦1

所属機関: 1岐阜県厚生連昭和病院内科

ページ範囲:P.1273 - P.1278

文献購入ページに移動
要旨 まれな腫瘍である虫垂粘液球症を経験し,術前の腹部超音波と腹部CTでその特徴的所見を捉えた.患者は65歳,女性.検診目的で注腸X線を施行した.盲腸に輪状のはち巻きひだを有する直径4cmの半球状で表面平滑な腫瘤を認めた.盲腸壁の伸展性は良好で,虫垂は造影されなかった.腹部超音波では,腫瘤は盲腸下部から虫垂にまで連続しており,実質様エコーを呈し,内部に無数の点状高エコーを混じていた.腹部CTでも,腫瘤内部に無数の粒状の石灰化を認めた.回盲部切除術を施行した.腫瘤内腔には直径1mm前後の乳白色の粘液球が充満しており,PAS染色により年輪状の層構造が明らかとなった.組織学的には虫垂粘液囊胞腺腫であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?