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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻10号

1996年09月発行

文献概要

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編集後記

著者: 下田忠和

所属機関:

ページ範囲:P.1300 - P.1300

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 患者のQOLを考慮した早期癌に対する内視鏡的粘膜切除が,一般的に行われるようになって随分と時間が経過した.その間適応も少しずつ拡大され,特に食道癌では大きな病巣に対する内視鏡的粘膜切除も分割切除でなされている.しかしその後の局所再発,多発癌に対する治療,そして術後の障害についての対応に関しての議論は十分になされてこなかった.それらの点について本号では多数の治療経験を有した施設から報告がなされている.要点は当然のことではあるが術前の正確な癌の深達度診断と拡がりの診断に尽きるが,基底層部分に拡がる癌と上皮下の浸潤範囲の診断の因難性が改めて指摘されている.また,多発癌の治療に関しては本号でもまだ十分に議論されたとは言えないが,今後積極的に治療した症例の経過が集積されるにつれ,その臨床的問題点も明らかにする必要性が出てくる.本号を見て各読者が食道早期癌に対する内視鏡的粘膜切除の問題点を理解し,日常の診療に役だてることを期待する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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