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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻11号

1996年10月発行

文献概要

今月の主題 微細表面構造からみた大腸腫瘍の診断 主題

臨床からみた大腸腫瘍のpit pattern診断

著者: 工藤進英1 中城一男1 田村智1 山野泰穂1 中嶋孝司1 伊藤治2 日下尚志1 福岡岳美1 洗川佐代子1 後藤英世1 鈴木章男1 白坂大輔1 坂下正典1 福富尉1 田中義規1 古村孟1 井手口尚生1 松井保憲1 小松泰介1

所属機関: 1秋田赤十字病院胃腸センター 2名古屋大学第2内科

ページ範囲:P.1313 - P.1323

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 要旨 拡大電子スコープと実体顕微鏡で観察した9,087病変のpit pattern解析を行った.従来のpit pattern分類のⅢL,Ⅳ,Ⅴ型を更に詳細に亜分類し,大腸腫瘍のpit patternと形態,発育進展を考察した.Ⅱa+dep,Ⅱa,Ⅰs,Ⅰpの隆起型腫瘍のpit patternはⅢL,Ⅳ型が主体であり,亜分類ではⅢL-1A→ⅢL-1B→ⅣB→Ⅳvが基本的なpit patternの推移である.LSTはⅢL-2Aが主たるpit patternであり,Ⅱa+dep,Ⅱaと共通する.Ⅱc,Ⅱc+Ⅱaの表面陥凹型はⅢs,V型が主たるpit patternであり,buddingを形成しない全層性straight腺管であり,de novo発生である.Ⅴ型のamorphism(ⅤA)はm癌かsm1aであり,無構造なⅤ型(ⅤN)はsm高度浸潤癌であるが,爪で引っかいたような表面構造を示すscratch signを示すⅤNは主にsm2の浸潤癌であった.pit pattern診断は古典的な内視鏡診断を変えるものであり,内視鏡レベルで腫瘍の発育進展とsm浸潤程度をより推測でき,精密な診断とより良い内視鏡治療を行うのに極めて重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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