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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻11号

1996年10月発行

文献概要

今月の主題 微細表面構造からみた大腸腫瘍の診断 主題

pit patternからみた大腸表面型腫瘍の深達度の推定

著者: 河野弘志1 鶴田修1 宮崎史郎1 重松聡江1 藤田三丈1 藤崎一浩1 池田英雄1 豊永純1 谷川久一1 前川隆一郎2 井手耕一3 長田英輔4 有馬信之5 笹栗靖之5 森松稔6

所属機関: 1久留米大学医学部第2内科・同消化器病センター 2社会保険田川病院内科 3聖マリア病院消化器内科 4長田病院 5産業医科大学第2病理 6久留米大学医学部第2病理

ページ範囲:P.1353 - P.1362

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要旨 表面型大腸腫瘍性病変275病変を対象とし,pit patternからみた深達度診断について検討し,以下の結果を得た.①実体顕微鏡下pit patternの観察では,ⅤAの存在した病変は全例sm2~3のsm深部浸潤を認め,ⅤIの存在した病変はm~sm深部浸潤するものがあり,ⅤI,ⅤA以外のpit patternから成る病変は粘膜内にとどまることが多く,粘膜下層へ浸潤していてもsm1にとどまるものがほとんどであった.以上の点から実体顕微鏡下でのpit patternの観察は深達度診断に有用であり,特にⅤAの存在はsm深部浸潤を確信してよいものと考えられた.②メチレンブルー染色後の拡大内視鏡を用いたpit patternの観察は,病変全体のpitの描出率が不良である点,実体顕微鏡下で観察されたpit patternとの一致率が低値である点から,現段階では深達度診断に有用でないと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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