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今月の主題 微細表面構造からみた大腸腫瘍の診断 主題
“pit pattern”は大腸腫瘍の診断に有用か―私はこう考える
著者: 寺井毅1 今井靖1 二瓶英人1 三輪洋人1 荻原達雄1 阿部寛2 和田了3 佐藤信紘1
所属機関: 1順天堂大学医学部消化器内科 2順天堂大学医学部第1病理 3自衛隊中央病院病理
ページ範囲:P.1380 - P.1382
文献購入ページに移動大腸腫瘍におけるpit patternの検討は,1985年,西澤らによる大腸切除標本を用いたⅡb型早期癌5例の実体顕微鏡像の報告1),その後の工藤らを中心とした平坦・陥凹型早期癌の内視鏡所見と実体顕微鏡所見との関連の報告により2),現在表面型腫瘍を中心とした大腸腫瘍の診断において欠くべからざるものとなってきた.特に最近では拡大内視鏡の普及によってpit patternを用いた腫瘍診断,すなわち腫瘍性病変と非腫瘍性病変の鑑別,癌と腺腫の鑑別が現実的なものとなってきている3)4).臨床上組織診断においてpit patternの観察は拡大内視鏡が有用であるが,pit patternでどれだけ正確に診断できるかが重要なポイントである.本稿ではわれわれの検討も踏まえたうえでpit patternが大腸腫瘍の診断に有用かを述べようと思う.
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