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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻11号

1996年10月発行

文献概要

今月の主題 微細表面構造からみた大腸腫瘍の診断 主題研究

適応型帯域強調処理による大腸腫瘍の画像解析―表面型大腸腫瘍を中心とした腺口形態と陥凹面の検討

著者: 大塚弘友1 多田正大2 清水誠治3 菅田信之3 長島雅子3 鹿田潮3 川井啓市4

所属機関: 1京都第一赤十字病院救急部 2京都がん協会 3京都第一赤十字病院胃腸科 4大阪鉄道病院

ページ範囲:P.1401 - P.1406

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要旨 大腸粘膜の微細構造を通常内視鏡観察時に,より詳細に観察する目的で,画質向上ユニット(EVIP-230)を用いて,大腸腫瘍284例(隆起型224例,表面型60例)に対し通常観察,輪郭強調処理および帯域強調処理を行い,各条件下における腺口形態の識別の可否を検討した.更に陥凹面を有する表面型大腸腫瘍56例について,陥凹面の解析をその形態と陥凹係数により検討した.帯域強調処理はいずれの条件下でも高い腺口識別率を示した.陥凹面が棘状のものでは100%,星芒状では96.9%が腺腫であり,面状では93.3%が早期癌であった.腺腫の陥凹係数は0.17±0.1,早期癌は0.48±0.2であり,両者間には統計学上有意差が認められた.帯域強調処理による腺口形態の識別は大腸腫瘍において有用であり,その診断能の向上のためには陥凹面の形態と陥凹係数に注目することが重要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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