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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻12号

1996年11月発行

文献概要

今月の主題 未分化型小胃癌はなぜ少ないか 序説

未分化型小胃癌はなぜ少ないか

著者: 西元寺克禮1

所属機関: 1北里大学医学部内科

ページ範囲:P.1435 - P.1436

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 小さい未分化癌がなぜ問題なのか

 消化器病の臨床で,癌の早期発見と治療は今日でも最も大きなテーマである.胃癌の治療において,切除不能症例は別として,なるべく早く手術をする時代から,低侵襲性の治療が推奨されるようになった.小さい癌は内視鏡的粘膜切除術(EMR)で治療することが一般的となり,この手技は胃のみでなく,食道,大腸などでも広く行われるようになった.胃においても,EMRの適応についてはほぼ確立されているが,他の臓器と異なり,未分化癌の占める比率が高いこと,胃酸の影響で潰瘍を合併しやすいことが問題を複雑にしている.したがって,分化型腺癌と未分化型腺癌に分けEMRの適応を考えるのが一般的であり,未分化癌をEMRの適応とするか否かは意見の分かれるところである.しかし,最近の学会の動向をみると,EMRの適応は拡大する傾向にあり,未分化型に対するEMRの報告も増加している.今回の主題の目標の1つは未分化癌の発育・進展形式から考えて,この動向が正しいか否かを検証することである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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