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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻12号

1996年11月発行

文献概要

今月の主題 未分化型小胃癌はなぜ少ないか 主題

胃癌の組織型の変化―分化型癌から未分化型癌へ

著者: 石黒信吾1 春日井務1 寺田信行1 西澤恭子1 三輪秀明1 辻直子1 中川菊一1

所属機関: 1大阪府立成人病センター病理検査科

ページ範囲:P.1437 - P.1443

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要旨 癌の進展に伴う組織型の変化の詳細を検討するために246例の粘膜下深達癌を検討したところ,以下の結果を得た.①粘膜内と粘膜下層で組織型の変化した症例および分化型と未分化型の混合型の群は,組織型の変化しない純粋の分化型と純粋の未分化型との中間的な臨床病理学的な特徴を有し,特殊な癌型であった.②ある種の分化型が混合型に変化し,更に未分化型に変化する.③分化型の形態変化は,粘膜内,あるいは粘膜内から粘膜下層に深達する際に起こり,更に粘膜下層では浅部から中層に至る段階で分化型から混合型に,中層から深層に至る段階で混合型から未分化型に変化する.以上から,進行するにつれて未分化型癌の割合が増加するのは,ある種の分化型癌が未分化型に変化するために起こると結論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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