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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻12号

1996年11月発行

今月の主題 未分化型小胃癌はなぜ少ないか

主題

小さな未分化型胃癌の診断の実態

著者: 大山隆1 馬場保昌12 森田秀祐1 西山昌宏1 牟田仁彦1 加来幸生1 武本憲重1 竹腰隆男1 丸山雅一1 太田博俊3 石原省3 加藤洋4

所属機関: 1癌研究会附属病院内科 2癌研究会附属病院総合健診センター 3癌研究会附属病院外科 4癌研究会附属病院病理

ページ範囲:P.1469 - P.1481

文献概要

要旨 胃癌697例(749病変)のうち,1cm以下の小さな未分化型胃癌33病変を対象に,臨床診断の実態について検討した.①5mm以下の未分化型微小胃癌の頻度は全切除胃癌に対して1.3%であった.②癌組織型と大きさの関係では,大きさが10mmを超えると癌組織型差はほとんどなかった.③臨床発見成績は微小胃癌30%(3/10病変),小胃癌91%(21/23病変)であった.④微小胃癌の肉眼型はⅡbあるいはそれに近い形態が多かった.未分化型微小胃癌が極端に少ない理由は,平均年齢が50歳台にあり,加齢に伴う背景粘膜の質的変化と癌組織発生の関係から理解できた.未分化型微小胃癌を臨床的に発見するには,標的年齢を40歳台に置くべきであり,背景粘膜の質と癌組織型の関係を考慮に入れた検査が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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