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文献概要
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書評「Q&A腹腔鏡下胆囊摘出術―こんな時どうする?」
著者: 大野義一朗1
所属機関: 1東葛病院外科
ページ範囲:P.1490 - P.1490
文献購入ページに移動 胆囊摘出術に始まった外科の鏡視下手術は,ごく短時間に目覚ましい発展を遂げた.今や外科手術の中で鏡視下に行うことのできない手術はないかの様相を呈している.腹腔鏡下胆囊摘出術は既に古典的な存在になりつつある.なぜ今更腹腔鏡下胆囊摘出術なのか,そんな疑問を持って本書を手にしたが,たちどころに自分の未熟さを痛感した.
著者は滋賀医科大学第1外科で25に及ぶ関連施設を直接指導されてこられた.教えることが,筆者を常に“初心者”の問題意識に立ち戻す.“手術時に全く予想されないような質問”“一見簡単そうに見えるが,実際に自分自身で遭遇した場合には思案するような問題点”が次々と出され,1つ1つを詳細に検討し解答を出していく.その積み重ねが本書の元となっている.著者の非凡なセンスと卓抜した技術が本書の随所にかいま見られる.しかし,本書の主眼はそこにはない.自分のノウハウを披露するのではなく,誰がやっても同じように成功する手技の究明,すなわち“標準術式の確立と安全性の追求”が著者の狙いである.普遍性こそ科学技術なのだという科学者の思想をそこに感じるのである.
著者は滋賀医科大学第1外科で25に及ぶ関連施設を直接指導されてこられた.教えることが,筆者を常に“初心者”の問題意識に立ち戻す.“手術時に全く予想されないような質問”“一見簡単そうに見えるが,実際に自分自身で遭遇した場合には思案するような問題点”が次々と出され,1つ1つを詳細に検討し解答を出していく.その積み重ねが本書の元となっている.著者の非凡なセンスと卓抜した技術が本書の随所にかいま見られる.しかし,本書の主眼はそこにはない.自分のノウハウを披露するのではなく,誰がやっても同じように成功する手技の究明,すなわち“標準術式の確立と安全性の追求”が著者の狙いである.普遍性こそ科学技術なのだという科学者の思想をそこに感じるのである.
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