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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻12号

1996年11月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

形質細胞への高度な分化を示した胃MALT型リンパ腫の1例

著者: 海崎泰治1 細川治2 藤井丈士1 斉藤建1 坂下俊樹3 小西二三男4 津田昇志2 木谷栄一2 渡辺国重2 樋下徹哉2

所属機関: 1自治医科大学医学部病理 2福井県立病院外科 3福井県立病院内科 4福井赤十字病院病理

ページ範囲:P.1515 - P.1520

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要旨 患者は49歳,女性.嘔気,背部痛を主訴に来院した.胃X線検査,胃内視鏡検査で胃体上部前壁・大彎・後壁および胃体下部前壁に粘膜ひだの途絶した陥凹病変が存在した.陥凹部とその周囲は褪色調であった.同部の生検で胃形質細胞腫と診断され,胃全摘術を施行した.組織学的には胃上部前壁の陥凹部粘膜内に形質細胞が多数増殖しているが,lymphoepithelial lesionやcentrocyte-like cellの増殖もみられた.胃上部大彎後壁および胃中部前壁の陥凹部は,形質細胞の増殖がないほかは同様の所見であり,形質細胞への高度な分化を示した胃MALT型リンパ腫と診断された.本例は胃形質細胞腫との鑑別に難渋した症例で,MALT型リンパ腫の概念が導入された現在では,胃形質細胞腫症例の再検討が必要になると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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